顎変形症と診断され外科的治療をするか悩んでいる方や
もしかしたら顎変形症かもしれないと悩んでいる方
実際にどんな治療が必要になるのか不安ですよね。
この記事では、実際に顎変形症の外科的治療を経験した私が、治療の進め方(全体の流れ)をご紹介します。
治療の流れを把握して、前向きに治療を進めていきましょう。
外科的治療の全体の流れ
治療全体の流れを1~7の段階で説明していきます。
- 外科的治療の全体の流れ
- 1.歯科矯正を始めるための治療
- 2.術前矯正
- 3.手術日程の決定
- 4.手術に向けた準備(術前検査・自己血採取など)
- 5.入院~手術~退院
- 6.術後矯正
- 7.プレート除去手術
- おわりに
1.歯科矯正を始めるための治療
虫歯や歯周炎がある場合は、前もって治療する必要があります。
また、歯科矯正で障害となる"親知らず"や小臼歯(しょうきゅうし)を抜くことがあります。
※小臼歯(しょうきゅうし)とは、前から4番目と5番目の永久歯で、上下左右に各2本ずつあります。
実際に私は、親知らず上下左右と、小臼歯(八重歯の後ろ)上左右1本ずつを抜歯しました。
2.術前矯正
手術でアゴを予定の位置に移動したときに、良好な噛み合わせの歯並びになるよう矯正します。
そのため、術前矯正では現在よりも歯が出た感じになり、噛み合わせが悪い状態になります。
必要な期間は、歯を動かす距離や動きやすさにもよりますが、1年~1年半程度の方が多いようです。
この期間は、外食を控えたり、マスクを常時つけたりと、
手術日に近づくにつれて、精神的にも少ししんどくなる時期です。
3.手術日程の決定
術前矯正が完了する目安がついたところで手術の日程を決めます。
病院の混雑時期などにもよりますが、3か月~6か月頃先となります。
特に春休みや夏休みには、学生の手術希望者が集中しているようです。
社会人の方であれば、この学生集中期間を避けた日がおすすめです。
実際に私も、夏休みが終わっている10月初めに手術しました。
4.手術に向けた準備(術前検査・自己血採取など)
全身麻酔で手術を行うにあたって、全身的に手術に支障がないかを調べます。
具体的には、血液検査・尿検査・心電図検査・胸部エックス線検査などを行います。
術前検査結果が出たら麻酔科を受診し、手術を受けるのに問題がないかどうかが判断されます。
また、手術時の出血に備えて前もって自身の血液を保存しておきます(自己血採取)。
自分のために献血するようなものです。
献血と同じように1回の採血量は400mlです。手術のケースにより採血を2回行い計800mlを採血しておきます。
ちなみに、私は赤十字の献血で、貧血気味(ヘモグロビン濃度が採血基準以下)と診断され献血できなかった経験があったため、鉄分摂取を意識して過ごしてました。
5.入院~手術~退院
病院や術後の経過などにもよりますが、入院期間は約3週間です。
私の場合は、手術の4日前に入院し、術後約2週間で退院しました。
手術は全身麻酔で行い、手術時間は手術の内容によって各個人で異なります。
私は上下のアゴを動かす必要があり、約5~6時間の手術でした。
手術の内容や退院までの詳細は別記事で紹介します。
6.術後矯正
術後には筋肉などの働きによりアゴの骨が元の位置に戻ろうとする力が働きます。
これを防ぐために、歯上下にゴムをかけて固定して過ごします。
私は術後2カ月ほどは常時ゴムをつけ、3カ月目からは寝る時にだけゴムをつけるようになりました。
また、噛み合わせをより安定させるための歯科矯正を行います。最終調整をするイメージです。
7.プレート除去手術
手術では骨同士を固定するためにプレートとネジを使用しています。
このプレートとネジが残ったまま退院し、骨同士が完全にくっつくと不要になるため、プレート除去手術を行います。
必ず取らなくてはいけないものではないので、病院や個人の判断によります。
私が受診していた病院では除去することを原則としていたため、退院から約半年後に除去手術を行いました。
1週間程度の入院で、局部麻酔で取ることができます。
おわりに
このように個人差はありますが2~3年程度かかる長期的な治療です。
手術も要するため、なかなか治療を決心できない方もいます。
私は治療をして顎変形症を治すことができて本当に良かったです。
私が治療を決心したことや、治療の詳しい内容も別記事でご紹介していきます。
当ブログが、顎変形症の治療に立ち向かう方のお役に少しでもたてれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。