顎変形症の治療を検討している方、すでに治療を進めている方には
「プレート除去手術ってなに?」
「また手術するの?」
「プレート除去はした方がいいの?」
「やっぱりつらい?」
と思っている方もいるのではないでしょうか。
顎変形症治療の基本的な流れは
術前矯正→手術1回目→術後矯正→手術2回目(術後矯正継続)
実は、顎変形症治療で手術は2回あるんです。
手術1回目が「主・メイン」
手術2回目が「副・サブ」のイメージです。
この2回目の手術とは
プレート除去手術と言われるものです。
実際に私も「また手術すんのかい!」と思いつつ
1回目の手術から約半年後、プレート除去の手術をしました。
この記事では、プレート除去はした方がいいのか・手術をした私の実体験などをご紹介します。
プレート除去手術とは
まず、1回目の手術では
骨を切り、アゴの位置をズラすといったことが行われます。
骨同士は、プレートとネジを使用して固定されています。
退院時はまだ、アゴが完全にくっついている状態ではありません。
外見に見えるものでもなく、口の中からもどこにあるのか分からないくらい、小さく薄いものです。
骨同士が完全にくっついた後は、プレートとネジが不要になります。
このプレートには2種類あり
チタン製のミニプレートと吸収性プレートがあります。
このうち、吸収性プレートはその名のとおり
体に吸収されるため、取る必要がありません。
一方、チタン製のミニプレートとネジは自然にはなくなりません。
プレート除去手術とは
チタン製のミニプレートとネジを取るための手術です。
こちらが実際に、手術で除去したプレートとネジです。
手術した方がいい?取らなかったらどうなる?
チタン製のミニプレートとネジを除去しないということは、
このまま体に残り続けることになります。
しかし、このプレートは必ず取らなくてはいけないものではない!
とのこと。
というのも、
チタンは生体への親和性に優れていて、通常は異物反応を起こさない
と言わています。
一方で、取らなかった場合に考えられる影響もあります。
○エックス線写真を撮るたびに金属が写る
○皮膚や歯肉の上から触れる(※私はわからなかった)
○将来、異物反応を起こす可能性も否定できない
そのため
私が手術した病院では、原則として除去することを推奨していました。
なので、私の場合は
「身体に異物が残っているよりは、ない状態で治療を完了させたい!」
と思い、プレート除去手術を決めました。
入院から退院まで
はじめに、
プレート除去手術の率直な感想を言うと・・・
1回目の手術を経験をした方なら「余裕」です。
その理由も交えて、1回目の手術と比較しながら紹介していきます。
※各病院による違いはあります。
入院
入院日からも手術の深刻さ・重大さのレベルが違うなと感じます。
心の準備期間とも言えるほど早めに入院した1回目
それに比べて2回目は前日の入院でいいんです。
入院期間は約1週間です。
手術
なんといっても手術時間が短い!
約30分で終わっちゃう内容です。
麻酔方法の違いも影響が大きいです。
全身麻酔の場合は
自力で呼吸ができなくなるため、喉から気管に管が通っていました。
手術後、管は抜かれますが、その影響でのどに痛みがありました。
一方、局部麻酔の場合は
手術中も自分で呼吸ができるため
管も必要なく、術後への影響もありませんでした。
また、局部麻酔での手術は
ウトウトと眠れそうな、かすかに意識がある中で進みます。
もちろん、痛みも感じないので問題ありません。
私も「あ~いじられてるな~」ぐらいの意識でした。
親知らずの抜歯等で局部麻酔された方もいると思いますが
その時よりも意識はかすかになっている印象です。
手術後
病室にはベッドで運ばれて戻ります。
手術後2時間は安静のため、ウトウトしているので寝ます。
これは手術1回目でも同じでした。
プレート除去手術でも顔は少し腫れます。
ただ、手術1回目はパンパンに腫れるので
顔面を弾性包帯で圧迫したり、冷やしたりが必要でしたが
今回は、腫れを抑えるためのものは必要ありませんでした。
手術1回目の腫れに比べたら可愛いもんです。
痛みはほぼありません。
全身麻酔じゃないこと、顔の腫れが少しなこともあり
苦痛に感じるようなことはありませんでした。
それでも一応、痛み止めは渡されます。
手術当日の夜から食事が出ます。
食事は軟々食
食べても口の中が痛むことはありません。
流動食じゃなくて、噛んで食べられることが嬉しい!!!
傷口には糸が残っているため、退院前日に抜糸をします。
抜糸はやっぱり、ちょっと痛い。
抜糸する範囲は小さいのですが
こちらは前回同様に痛い・・・
入院にかかる金額
入院期間1週間、手術時間は約30分という
プレート除去手術での入院費用は
約9万円
ちなみに、手術1回目(骨切り)での入院費用は
約12万円
ということで、
手術1回目(骨切り)と3万円しか違わないんです。
請求書が届いたときは
「え?入院期間も短いし、手術内容も全然違うのに!?」
と手術1回目と変わらない金額に驚愕でした・・・
入院費用の解説
プレート除去手術の入院費用が
約9万円だった理由(手術1回目と同様の金額だった理由)は
「高額療養費制度」を利用したからです。
「高額療養費制度」とは
医療費の一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される
というありがたい制度です。
自己負担限度額は、人それぞれ所得によって違います。
私の場合、自己負担限度額は約10万円未満
手術1回目でも高額療養費制度を利用したことで
入院費用を約12万円に抑えることができました。
手術1回目(骨切り)での入院費用についても、別記事で解説しています。
制度の利用方法等はこちらの記事をチェックしてみてください。
実際に届いた請求書がこちらです。
※印字のズレで見にくくてすみません
請求書の内容を解説すると・・・
青枠の部分の「保険点数×負担割合(A)」欄の約11万円が、そもそもの医療費です。
そして「高額療養費支給額(B)」欄の約3万円は、私個人が負担しなくていい金額なんです。
つまり、高額療養費制度を利用したことにより
(A)そもそもの医療費[約11万円]から、
(B)支給額[約3万円]を引いた(A-B)
約8万円が私が支払う金額になったんです!
それに食事医療費をプラスしたのが、赤枠の最終的な支払い金額です。
※食事療養費は、自己負担限度額には含まれません。
手術1回目(骨切り)と比較してみると
手術1回目(骨切り)では
(A)そもそもの医療費63万円に対して
(B)支給額53万円
ということで、約8割も支給してもらえている!!
手術2回目(骨切り)では
(A)そもそもの医療費11万円に対して
(B)支給額3万円
ということで、約2割の支給額!!
つまり、
そもそもの医療費が60万円でも11万円でも
私が支払う金額は自己負担限度額の約10万円以内になる!!!
YouTubeチャンネル『アゴと食』では
「高額療養費制度」の申請の仕方について解説しています。
おわりに
手術1回目(骨切り)と手術2回目(プレート除去)を
手術のしんどいレベルを個人的な感覚で比較してみました。
手術1回目を★★★★★(5満点)とすると
手術2回目は
★☆☆☆☆
というくらいの感覚でした。
手術1回目を経験した方は強くなっているはずです!
「あ、こんなもんか」と思えるくらいに私も強くなっていたようです・・・
この記事が、治療を検討する際の参考になれれば幸いです。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。