音楽劇『ブンとフン』を観に東京へ!
音楽と朗読劇が掛け合わされた音楽劇とのことで、初めて観る仕様でした。
1度だけ朗読劇を観たことがあり、あのスタイルには抵抗があった・・・
それに目当ては浅川梨奈さんだけ・・・
正直、楽しみだったけど期待はしてなかった。
でも、実際の音楽劇は想像の10倍!良かった!!!
ということで、ちゃんと記録しておきたくなったので、音楽劇『ブンとフン』を観た感想を記しておきます
※ネタバレ
音楽劇『ブンとフン』
井上ひさしさんの小説家デビュー作『ブンとフン』が原作の音楽劇
□2023年6月15日(木)~6月23日(金)の 全10公演
□会場 よみうり大手町ホール
あらすじ
フンは小さなアパートに住む売れない小説家。
とある日、彼の書いた小説「ブン」が電子書籍で出版され、突発的にヒット。
その主人公ブンを「どんなことも可能にする泥棒」として描いてしまったため、ブンは電子書籍のデータの中から飛び出て世界中のありとあらゆるものを「盗み」始める。
出演者
売れない小説家フン 橋本良亮さん(A.B.C-Z)
本から飛び出した泥棒ブン 浅川梨奈さん
ナレーター 升毅さん
警察官・奥様など 大高洋夫さん
警察官・奥様・悪魔など 松永玲子さん
出版社・警察官など 林田一高さん
警察官・奥様・裁判官など 鹿野真央さん
舞台の流れと感想
前半
舞台上には、イスが人数分置いてある。
その後ろには目隠しの透けたカーテンがされていて、ピアノやギターがある。
ああ~これが朗読劇だよなあ
ああ~生演奏ってのが音楽劇なのかなあ
っていう始まり。
■フン先生の家にて
でも、ナレーター役の升毅さんの声と話し方が心地良くて、
さらに橋本さんの声や言い回しが想像以上にちゃんと舞台の人で(ごめんなさい)、期待が持てた始まりでもある。
突然、小説「ブン」が爆発的にヒットし、読み返すブン先生
そして、急に歌い出したー!!
独特な歌詞の歌きたー!!
一緒に歌ってくるいい女(ブン)
浅川さんの出番がついに来た!
かわいいきれいな声で歌ってるー!
「それがブン、やつがブン♪」
「ブンブンブーブンブブブブブーブン♪」
とにかくなにかとブンブン歌う
突然歌い出すミュージカル形式には慣れてたけど、やっぱどうしても、、、お、おうってなる。
ただ橋本さん、思ってたより歌がお上手でいい声。(二度目のごめんなさい)
ナレーター役だと思ってた升毅さんが、がっつり登場人物と会話したり、ただのナレーターじゃなくなって面白くなってきた。
フン先生の言うことを聞かずに外に出ていくブン
■警察署にて
一夜で、東京タワーが消えたり、シマウマのしまが消えたり、各地で奇妙な盗難事件が多発し警察が騒いでる。
もちろん、犯人はブン
それを知るフン先生は警察に事情を説明するも理解してもらえない。
警察官「常識では考えられない」
すごい常識を強調してくるなーしつこいなーと思ってたらBGMが流れてきて、、、
はい、歌きた!
警察官の皆さんが歌う常識の歌。
なんかくせになりそうな歌だった。
「犬が西向きや尾は東♪」しか覚えてないけど。
このときから、浅川さんは後ろの目隠しカーテンの中にいる。
常識の歌のとき、ほんと可愛い。
宇宙空間を彷徨う自販機が発見され、同じく宇宙で確認されるブン。
地球の警察官・フン先生と会話するブン
フン先生「ブン!自動販売機を返してきなさい!」と怒られ、素直に「はい!」ってなるブン。
あれ、急に関係性が変わってきたな~と。
ブンは能力を使うとき、人差し指を掲げてクルクルする。
この浅川さんがクルクルしてる指がキレイ
フン先生とナレーターがブンをどうにかしようと思考。
出版と電子書籍化されたブンも発生していることが判明。
そして、フン先生のブンに対する感情も変化してきたみたい。
ブンに呼び出され、レストランへ行くフン先生
■レストランにて
隣の席に座る上流階級の奥様方が3名
大高洋夫さん・松永玲子さん・林田一高さん
奥様方の話し方とかオーバーすぎるのだけど、それがちょうど良い
隣のフン先生の嫌みを言うて盛り上がる。
BGM流れてきた、、、え、ここで?まさか。
はい、歌ったー!!!
ここで歌うのかよ!ってなったけど、これまたくせになりそうな歌で面白い。
「ざんす〜♪」と「ホモサピエンス♪」
しか覚えてないけど。
奥様方にウエイトレス(ブン)がなんやかんや言って指をクルクルする。
奥様方は言葉や言動に品がなくなり、キッチンにさつまいも取りに行こうぜーとなる。
ブンは奥様方から「虚栄心」を盗んだ。
ブンは物を盗むんじゃなくてもっと人間が大切にしている物を盗む!と方針を変えた。
それは「権威」
「虚栄心」「権威」を盗むっていう展開になってから真剣な感じになってきた!と思ったけど「だから私は権威を盗む♪」って「権威」で浅川さんに歌われたときはちょっとドギマギした、、、
それならいい気がする!とフン先生もブンに同意。
フン先生とブンがいい声で歌う
「貧しい人からその貧しさを〜♪」
「権力者からその権力を〜♪」
「ただの人間になるために権威を盗もう♪」
これまた独特な歌詞で…胸がザワザワする歌だった。
■警察官・悪魔・ナレーターさんとの場面
警察官が上から悪魔を使ってでもいいから、ブンを捕まえろと指示。
ナレーターと警察官の2人で悪魔を呼び出す儀式を始める。
悪魔が登場
誰も衣装は変わらないのだけど、悪魔だけ悪魔っぽくなってた。
悪魔役の松永玲子さん、すごくいい存在感。
警察官の魂と引き換えにブンを捕まえることで交渉成立。
ブンの生死は問わない
物騒な展開になってきたな~とザワザワした。
悪魔が警察官に拳銃を要求する。
悪魔らしい殺し方しないの?と言われると
「人を殺す道具は悪魔よりも人間の方が上よ」と。
このフレーズには結構ハッとして、印象深い。
そして、悪魔さんも歌います!
歌詞は悪魔が望む世界のことで、とにかく人間同士が争うことで焼け野原になってくれるが嬉しいみたいな。
なんちゅう歌だよって思ったけど、
「殺し・あ・う♪ドカンドカンドカンドカン」
このリズム好きだった。
人間の醜さを感じる皮肉な歌なんだけど、歌う悪魔さんは楽しそうで面白い歌になるっていう。
しばらく浅川さんいないんだけど見てて飽きなかった。
それも警察と悪魔の役を演じるおもしろ系の方々のおかげなんだと思う。
こういう方々ってほんと重要、、、
悪魔にナレーターの力をベタ褒めされ、物語を悪魔の望む展開にするよう吹き込まれる。
この場面好きだったな~
ナレーターさんをただのナレーターにしないっていう話の展開として面白いし、吹き込む悪魔さんもナレーターさんにも可愛らしさがあって好きだった。
■フン先生の家
ナレーションでフン先生とブンとがイチャつく展開になる。
いい雰囲気の浅川さんをありがとうございます。
ついナレーターさんは、「ブンは悪魔に気づかない」という設定にしちゃう。
ブンとフンに近づく悪魔
ブンをかばいフン先生が悪魔に撃たれる。が、ブンが銃の玉を掴み取っていた。
このあとの悪魔とブンのやりとりが台本の何ページに書いてあるとか、リアルと舞台の世界を混在させてて面白い。
悪魔を撤退させると、フン先生とブンがイチャつく時間になる。
フン先生「好きになっちゃった」
え、そういう感じ?
フン先生の突然のデレに戸惑った。
そして、いい声の2人で歌います。
「ただ好きなのさ♪」
「ブンとフン♪2人は愛し合ってるの♪」
想像してなかった展開にざわざわざわざわ。
これが噂の見つめ合う場面か、、、こっちが照れる。
後半
■悪魔と警察官の場面
フン先生とブンが互いに大事に存在になっていることに気づいた悪魔。
フン先生を逮捕して、ブンを誘き寄せるという作戦を企てる。
悪魔が茶化して「ただ好きなのさ〜♪」と歌う
これ好き
フン先生逮捕、ブン助けに来る、ブンも捕まる
雑な省略で申し訳ないのです・・・
裁判所にブンを釈放しろー!と民衆が集まる。
ブン有罪、フン先生も小説を書いてはならない。
ブンが盗むことで幸せになっている人もいたんだっていうのが、この場面でわかる。
けど、このあたりは話の展開と絶望感のある音楽が相まって胸糞悪い感じだった。
■獄中のフン先生とナレーターさん
海外で翻訳された小説からもブンが発生。
翻訳は各国でめちゃくちゃなため世界のブンとブンが対立する。
盾と矛みたいな話で、互いに不可能なことはないブンだから、殺し殺されが発生せずにブンが固まるっていう・・・
え?
この辺からよくわかんなくなってきた。いや、見てる時は理解して見てたけど、どう終わるんだコレ。ってなってた。
獄中のフン先生、ブンに会いたくて歌う
フン先生の前にブンが現れ再会
しかし、外国のブンに追われて逃げる日本のブン
そして、お別れ
ブンとフンの最後いいシーン
なんだけど、正直・・・北朝鮮とロシアが手を組んで日本を追うって、なんだよそれ。
ブンは人間とは違うはずなのに、結局ブンでも国が違うと分かり合えないのかよ。
って感じでちょっと嫌な展開だったな〜。
■獄中のフン先生
指を噛み、壁に自分の血で小説の続きを書く。
ここの橋本さん、圧巻だったな〜。
朗読劇では収まらない演技にやられた。
この後、2人がどうなったのかはご想像にお任せで
「ブンとフン♪」
「2人は愛し合ってるの〜♪」
完
浅川梨奈さんの感想
演じる浅川さんを生で観るのは初めて。
細かいけど良かったところ書き出す!
・ブンって言ってる口かわいい
・意地悪な高笑い聞けて満足
・スパガ時代を知らんので「あ、歌える子なんだ」っていう発見
・舞台用の声と溜め具合が良き
・しっとりする場面の声と表情好き
・盗みするときの人差し指くるくるの動き良き
・犬が西向きゃ尾は東で、後ろで一緒に動いてるのかわっ
・権威の歌で「振る舞いも〜♪」みたいなときの歌い方めっちゃ好き
・キレイな声で歌うし、意外と力強い歌い方するんですね
・子どもみたいにはしゃぐブンから、大人なブンへの緩急さすがです
・捕まった後の後ろで俯いてるときの顔好き
・表情豊かなブン、はまり役じゃないですか
・最後、空気読んでる感出して控えめにはけてくとこ好き
顔面が好きなのはもちろんなんだけど、何でこんなに惹かれるの?
・・・わかりません。
とにかく、演じてる浅川さんほんと好きだなって再認識しました。
また生で観れたらいいな。
おわりに
浅川さん目当てで行ったにもかかわらず、他の出演者の皆さんにも釘付けだった。
想像以上にミュージカルで楽しかった。
きっとこのストーリーをただ朗読劇でされたら苦しいだけだったかも。
なんだこの歌?なんでこの場面で歌?みたいなのもあったけど、それがあることによって飽きずに最後まで楽しめた!
ほどよい歌のダサさも良き!
お芝居と音楽のユーモアと真面目さがちょうど良かった。
どこまでが原作『ブンとフン』を含んでいるのか分からないけど、原作のブンはどう描かれ、どんな結末なのか興味ある。
ブンとフンのラブストーリーみたいな展開にもなったけど、ブンと悪魔から見た人間の嫌な部分が表されて、重みを感じるストーリーだった。
浅川さんのおかげで素敵な舞台を観ることができて感謝です。