つくりつくられ。

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工業高校の「建築科」と「土木科」とは?卒業生の私が紹介します。

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工業高校には様々な学科があります。

その中で

「建築科」
または「土木科」
もしくは「建築・土木科」がどんな学科か気になっている方へ
 

この記事では、「建築科」と「土木科」について卒業生の私がご紹介します。

 

「建築」と「土木」 とは


そもそも「建築」と「土木」とは

 

住宅やビル、施設などの建物を造るのは「建築」


道路や橋、ダムなどの構造物を造るのは「土木」 


■建築のイメージ

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■土木のイメージ

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建物や道路などを造るものとして建築と土木をひとくくりで「建設」と言われています。
 

仕事の業種で言うと、家を建てる人道路を造る人も同じ「建設業」になります。

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そのため、学校によって
「建築・土木科」として一緒になっている場合があるんです。

 

授業の違いは?


建築と土木で授業内容は違いますが、実は似ている部分もあります。

私も実際に受けた授業はどんな内容だったかご紹介します。

 

 

「建築」の分野は

主な授業はこちら

科目 内容
建築構造 木造・鉄筋コンクリ-ト造などの建物を構成する材料について
建築施工 建物を建てる工事から完成までの流れについて
建築構造設計 雪や暴風・地震など建物に働く力について
それらに耐える建物をつくる考え方(設計)について
建築計画 照明や換気など住環境と設備について
建築の歴史と現代のまちづくりについて
建築法規 建築物を建てるための法律について
製図 住宅の間取り図など建物の図面を描く
パソコンで図面を描く(CAD)
実習 建物の模型製作
木材の加工

 

 

「土木」の分野は 

主な授業内容はこちら

科目 内容
土木基礎力学  水や土など構造物に働く力の基礎について
土木構造設計 土木基礎力学からの応用
働く力に耐える構造物をつくる考え方(設計)について
土木施工 構造物を建てる工事から完成までの流れについて
社会基盤工学 道路や交通など暮らしの中の土木、まちづくりについて
測量 物の高さ、深さ、長さ、広さ、距離の測り方
測量器機の使い方
製図 トンネル,橋,道路などの図面を描く
パソコンで図面を描く(CAD)
実習 測量
コンクリートなど材料実験・製作
小型重機の操縦

  

建築と土木の共通点

「建築」と「土木」で似ている科目があります。

○建築・土木構造設計
○建築・土木施工
製図

似ている科目が多い理由は、

家や道路を造りたい思ったら

調査→設計→施工(工事)→完成

と完成までのおおまかな流れが建築と土木で共通しているからなんです。

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その他にも共通として「情報技術基礎」という科目がありました。

関数電卓の操作方法、コンピュータの基礎を勉強します。


この授業の目玉は、計算技術検定
検定に向けて、関数電卓を使った複雑な計算を練習してました。 

教室でみんな一斉に検定を受けましたが

もう結果を覚えてないくらいの検定です・・・

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卒業後の就職は?


建築と土木のどちらも、やはり建設業への就職が有利で多いです。


建築科でも土木科でも
調査会社、設計会社、工事会社など就職しています。

※建物・構造物が完成するまでの流れ
 調査→設計→施工(工事)→完成

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ただし、造るものが
家やビルなどの建物「建築」

道路や橋の構造物「土木」

で全く違い、はっきりと区別されています。

 


道路や橋の設計をしている人でも、の設計はできません

の工事を監理している人でも、道路工事の監理はできません


建築と土木による違いがはっきりとしますが
どちらも各科で学んだことを活かせる「技術職」に就くことができます。 

 

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おわりに

現在、建設業で仕事をしている私からしても
「建築・土木系」はオススメしたい学科です。


しかし、機械科や電気科を設置している高校が多いものの、
建築や土木の学科は少ないようです。


この記事が、学科選びの参考になれたら嬉しいです。